「勤怠の集計に毎月何時間もかかっている」「紙のタイムカードやエクセル管理から脱却したいけれど、システム導入のコストが心配」——そんな悩みを抱える中小企業の担当者の方は多いのではないでしょうか。実は、勤怠管理システムの導入費用は国の補助金でカバーできる可能性があります。
💡 この記事でわかること
- 勤怠管理システムが「デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)」の対象になるか
- 対象となる申請枠・補助率・補助上限額の最新情報
- KING OF TIMEやジョブカンなどの導入で補助金を使うまでの流れと注意点
結論:勤怠管理システムはデジタル化・AI導入補助金の対象です
KING OF TIME(キングオブタイム)、ジョブカン勤怠管理、freee人事労務といったクラウド型の勤怠管理システムは、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の補助対象になり得ます。2026年度から事業名称が「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」へと変わり、補助金の通称も「デジタル化・AI導入補助金2026」となりましたが、勤怠・労務管理ソフトはバックオフィスの生産性向上に直結するため、引き続き中心的な支援対象に位置づけられています。実際に、事務局の活用事例でも就業・勤怠管理ソフトの導入による働き方改革が紹介されています。
ただし、補助の対象になるのは事務局に「ITツール」として登録され、登録IT導入支援事業者(ベンダー)が取り扱う製品・プランに限られます。同じ勤怠管理サービスでも、対象となるプランと対象外のプランがある点に注意が必要です。導入を検討している製品が対象かどうかは、必ず公式サイトの「ITツール検索」で確認してください。
デジタル化・AI導入補助金とは?基本情報を解説
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が自社の課題に合ったITツールを導入する経費の一部を、国(中小企業庁)が補助する制度です。労働生産性の向上やDX推進を後押しすることを目的としており、勤怠管理のデジタル化はまさにこの趣旨に合致します。2026年度は、主に次の申請枠が設けられています。
- 通常枠:業務効率化・デジタル化を目的としたITツール全般(勤怠管理はここが中心)
- インボイス枠:インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト等
- セキュリティ対策推進枠:サイバーセキュリティ対策サービス
- 複数者連携デジタル化・AI導入枠:複数事業者が連携して取り組む類型
💡 ポイント
勤怠管理システムは、給与計算・労務管理ソフトと組み合わせて「通常枠」で申請されるケースが一般的です。複数の業務プロセスをまとめて効率化すると、補助上限額が上がる仕組みになっています。
対象となる事業者
補助の対象は、日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者です。資本金・従業員数の基準は業種ごとに定められています。
| 業種(例) | 中小企業の主な要件 |
|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 ほか | 資本金3億円以下 または 従業員300人以下 |
| 卸売業 | 資本金1億円以下 または 従業員100人以下 |
| サービス業 | 資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下 |
| 小売業 | 資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下 |
※上記は代表的な例です。医療法人や個人事業主など、業種・形態により要件が異なります。詳細は公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。
補助金の金額・補助率(通常枠)
勤怠管理システムでよく利用される「通常枠」の概要は次のとおりです。補助額は、導入するITツールが効率化する業務プロセスの数によって変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額(プロセス1〜3) | 5万円〜150万円未満 |
| 補助額(プロセス4以上) | 150万円〜450万円以下 |
| 補助率 | 1/2以内(一定要件で2/3、小規模事業者は要件次第で最大4/5) |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(設定・研修・保守サポート等) |
💡 ポイント
クラウド型勤怠管理システムの月額利用料は、最大2年分まで補助の対象になります。初期費用だけでなくランニングコストの一部もカバーできるのは大きなメリットです。
勤怠管理システムで補助金を申請するまでの流れ
申請から導入までの一般的なステップは次のとおりです。
- gBizIDプライムの取得:申請に必須のアカウント。発行に時間がかかるため最優先で準備します。
- 「みらデジ」の経営チェック:申請の前提となる事前準備を行います。
- 登録IT導入支援事業者・対象ツールの選定:導入したい勤怠管理システムを扱うベンダーを選びます。
- 交付申請:支援事業者と共同で申請マイページから手続きします。
- 交付決定 → 契約・導入・支払い:必ず交付決定後に契約・発注します。
- 事業実績報告:導入完了後、領収書等を添えて報告します。
⚠️ 注意
交付決定の前に契約・発注・支払いを行った経費は補助対象外になります。「先に契約してしまった」という失敗が非常に多いため、必ず交付決定の通知を受けてから動きましょう。また「必ず採択される」と謳う業者には注意してください。
よくある質問(FAQ)
勤怠管理システムだけの導入でも申請できますか?
対象として登録されたツールであれば、勤怠管理システム単体でも申請は可能です。ただし、給与・労務管理など複数の業務プロセスを効率化するほど補助上限が上がるため、まとめて導入するケースが多く見られます。
個人事業主でも対象になりますか?
中小企業・小規模事業者向けの制度のため、要件を満たす個人事業主も対象になり得ます。従業員を雇用して勤怠管理の効率化を図りたい個人事業主にも活用の余地があります。
✅ この記事のまとめ
- クラウド型の勤怠管理システムは、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の補助対象になり得る
- 通常枠は補助率1/2以内(要件次第で2/3〜最大4/5)、クラウド利用料は最大2年分が対象
- 対象は事務局に登録されたツールに限られるため、公式の「ITツール検索」で必ず確認を
- 交付決定の前に契約・支払いをすると補助対象外になるため注意
参考・出典